在宅勤務導入ルールQ&A

在宅勤務の導入を検討しています。どのようなことに注意すればよいでしょうか。
在宅勤務は目的を達成するための「手段」であり、在宅勤務の導入自体が「目的」ではないことをおさえておく必要があります。在宅勤務は、企業の働き方の「文化」や「哲学」といったものを変える可能性もあることから、「なぜ在宅勤務を導入するのか」その目的を明確にすることが最も重要です。

在宅勤務の導入目的は企業によって異なり、次のようなものがあげられます。
経営者視点での導入目的
1)業務効率の向上
2)優秀な人材の確保
3)災害時やパンデミック時等の事業継続性
4)オフィスコスト削減
5)企業イメージの向上
従業員視点での導入目的
1)ワークライフバランスの向上
2)仕事と育児・介護の両立
3)通勤にかかる負担の軽減

企業の経営者からの指示や従業員からの希望等、はじめに導入の要望をあげる部門や立場により、在宅勤務に対する捉え方が変わる可能性もあります。導入目的は今後の「全体指針」となり、導入プロセスにおいて重要な意味をもちますので、それぞれの立場で見解が異なるようであれば、在宅勤務のスムーズな導入は難しくなります。したがって、共通の理解が得られるように、目的を決定します。

また、在宅勤務導入目的とあわせて重要なものがあります。それは経営者からの強いメッセージです。はじめに在宅勤務の導入を要望した部門・立場が何であれ、経営者からの強いメッセージは、在宅勤務導入の推進力になります。「在宅勤務を導入することで、企業としてどのようなことを実現したいのか」というメッセージを経営者が発信し続け、本気でテレワーク(在宅勤務)に取り組む姿勢を示し続けることが、成功のカギです。
在宅勤務をすると部下のマネジメントが難しくなると管理職が反対しています。何か良い方法はありますか。
管理職があらかじめ在宅勤務の方法について、在宅勤務者と共通の理解を持つことで、円滑なマネジメントが可能になります。
「自宅で業務を進めることができるのか」「誰も監視する人がいないため、さぼっているのではないか」という懸念から、在宅勤務に反対する管理職が多いのも事実です。このような場合には、管理職自ら在宅勤務をすることにより、在宅勤務に対する理解を深めることが重要です。実際に、家族に協力を依頼し、自宅で効率的に進める環境を整え、自宅でもさぼることなく仕事を進めることを体得することで、在宅勤務者が感じる「上長や同僚からさぼっているのではないかと思われないか心配」「オフィスに出社している同僚と話がかみ合わない」といった課題に対しても理解を深めることができます。
在宅勤務を導入したものの、利用者が固定化したままで、活用が進んでいません。利用を拡大させるために、何か対応方法はありますか。
在宅勤務を導入後、しばらくすると利用者が特定の人に限定されている等、利用者が固定化されままで、利用者が拡大しないことがあります。
在宅勤務の導入範囲を見直し、対象部門・対象者を拡大する、半日のみの在宅勤務を認める、在宅勤務の申請手続きを簡素化する等、制度そのものを見直します。また、どのように在宅勤務を利用すると効果的か等を、社内の経験者から意見を集め、それらをもとに、利用シーンを提案し社内に周知します。 例えば、午前中に顧客先を訪問する予定になっているようなケースでは、午前中は顧客先へ訪問し、午後は自宅から報告書等の作成をする、また子どもの授業参観等があれば、午前中のみ自宅で業務を行い、午後は休暇を取得する等です。どのような時に利用すると、在宅勤務の効果がさらに高まる事例を示すことで、在宅勤務を実施していない人の理解を深めるが大切です。
在宅勤務を導入すると生産性が落ちませんか。
テレワーク勤務の実証実験の調査によると、「テレワーク勤務によってチームの生産性が向上した」と回答した人が29%、「テレワーク勤務によってチームの生産性は変化しない」と回答した人が58%と、9割近くがテレワーク勤務は生産性に悪い影響を与えることはないと考えています。

静かな空間でのリラックスした服装や雰囲気が集中力を高めることもあり、定型的な業務よりも創造的な業務のほうが顕著に現れます。また、不要不急の打合せや来客等による中断が入らない分、テレワーク勤務の方が集中でき、生産性が上がるとの意見もあります。

1日のうち「業務に集中できる時間はどれくらいですか?」という設問に6割以上と回答した人の人数は、テレワーク勤務者がオフィス勤務者の1.8倍だったことからも、テレワーク勤務はむしろ生産性を高める効果があります。
仕事の効率や生産性
在宅勤務の導入をスムーズに進めていくには、どのようにすればよいでしょうか。
在宅勤務のスムーズな運用には、在宅勤務を実施する人だけでなく、その上長や同僚にも教育研修を行うことが重要です。在宅勤務を実施する場合、残念ながら「楽をしている」「厚遇を受けている」というイメージを持つケースが見受けられます。在宅勤務者の周囲が、このような心構えでは在宅勤務の導入をスムーズに進めることが困難です。 その対策として、企業として在宅勤務を導入することに対して共通の認識を形成することを目的とした研修を実施することが挙げられます。また、研修の方法は、集合研修の形式にすることで、次のメリットが得られます。

1)在宅勤務という共通のテーマを一度に周知できる
2)在宅勤務に対する参加者共通の認識を形成することができる
3)在宅勤務について、他の参加者との意見交換を行い、参加者自身が相互に理解を深めることができる

また、研修には次のような内容を盛り込むと有効です。

1)在宅勤務を導入する目的
2)自社で導入するテレワークの概要
3)在宅勤務を実施する際の手続きと社内の規程
4)在宅勤務に関する情報システムの概要
5)セキュリティ対策
6)上長に向けて部下の業務管理と指導育成・評価
7)在宅勤務者の心構え
在宅勤務の時に、会社からいつ電話が入るか分からず、かえって気が抜けませんが、何か良い方法はありますか。
オフィスで仕事をする場合でも、少しの間席を外すことは通常の行動でもありますので、在宅勤務時にそこまで気にする必要はありません。実際にテレワークいう働き方が今ほど知られていなかった頃には、食事中まで電話の受話器を抱えていたという話もありました。オフィスに出社している上司や同僚は、在宅勤務の人の姿が見えませんので、電話に出なかったことでサボっていると考えられたら大変だと考えてしまうことから、このようなことに繋がったと思われます。

ただし、オフィスにいても関を外して電話に出られないことはあります。電話のことばかり気にしていると、かえって業務に集中できないこともあります。むしろ電話を貰った後の対応が重要だと考え、電話ができる状態になったらすぐに折り返し電話をすることや、電子メールで連絡をとるように心掛けることが必要です。
トップページへ