在宅勤務の執務環境

在宅勤務者にも、労働安全衛生法や労働者災害補償保険法が適用されます。企業は自宅での業務に対して、適切な執務環境になるようにアドバイスし、在宅勤務者の健康保持に努める必要があります。
週一日程度の在宅勤務であれば、ダイニングルームやリビングルームなどの一角を仕事の場所として利用することもでも可能ですが、日数が増える場合、専用の執務空間を確保することが求められてきます。

在宅勤務の執務環境

在宅勤務の場合、誰もが自宅に最適な執務場所をもつことは難しく、少しでも快適に仕事をするために、生活の場で仕事をすることになるため、生活空間との仕切りをできるだけ明確になるようにレイアウトを工夫します。特に椅子や照明等については注意することが必要です。

椅子と机

椅子と机は、仕事の能率や疲労度に最も影響します。特に椅子は快適に仕事ができるかどうかを大きく左右しますので、椅子は人間工学的に配慮された次のようなものを選ぶことが推奨されます。
・高さがワンタッチで調節できるもの
・5点式のような脚をもつ安全性が良いもので、キャスター付きのもの
机は椅子とあわせて高さを調整します。机自身に調節機能がない場合には、板切れ等のスペーサーを入れることで調節します。パソコンのキーボードをたたく時間が長い場合には、キーボードとの距離や腕の角度などが適切になるように調節します。

椅子と机

照明

照明が明るすぎる場合、目の疲労の原因になりますが、机からの反射光、読んでいる書類にできる影等も疲労の原因になりますので注意が必要です。照明の明るさや位置を最も快適に作業できるように調整します。

パソコンのディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上およびキーボード上における照度は300ルクス以上とすることが良いとされています。また、ディスプレイの明るさ、書類・キーボード面における明るさ、周辺の明るさの差をなるべく小さくすることで、疲労を軽減することが可能です。

グレアの防止

ディスプレイについては、次の対策をすることでグレアの防止をはかることが重要です。
(1)ディスプレイの画面の位置、前後の傾き、左右の向きを調整させること
(2)反射防止方ディスプレイを用いること
(3)間接照明などのグレア防止用照明器具を用いること
(4)その他グレアを防止するための有効な措置を講じること

作業姿勢

作業姿勢は業務の効率にも影響しやすく、次の点に注意をする必要が重要です。

  • (1)椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分に当て、履物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。また、十分な広さをもち、かつ、滑りにくい足台を必要に応じそろえること。
  • (2)椅子の大腿部膝側背面との間には手指が押し入る程度のゆとりがあり、大腿部に無理な圧力が加わらないようにすること
  • (3)概ね40センチ以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように必要に応じて、適切なめがねによる矯正を行うこと。
  • (4)ディスプレイは画面の上端が目の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい。
  • (5) ディスプレイ画面とキーボードまたは書類との視距離の差が極端に大きくなく、かつ、適切な視野範囲になるようにすること。
  • (6)ディスプレイは、作業者にとって好ましい位置、角度、明るさ に調整すること。
  • (7)ディスプレイに表示する文字の大きさは、小さすぎないように配慮し文字の高さが概ね3ミリ以上となることが望ましい。
作業姿勢

騒音

意外に気になるのは、周囲の騒音です。これを避けることは難しい場合が多いのですが、できるだけ、周囲の騒音が少ない場所を選びます。また、好きなBGMを低いボリュームで流すと、騒音の影響を打ち消し、作業効率を上げる効果があります。

温度と湿度

仕事の能率の上では夏の暑さ対策がより重要です。多くの場合、冷房が必要になりますが、空調の温度や湿度を適切に設定します。温度設定を低くしすぎると、体調不良の原因になりますので注意が必要です。また、空調からの冷気が直接体に当たるものも体調を崩す原因になりますので、噴出し口の角度を変え等工夫をして冷気が直接あたらないようにします。

ワークスペースの仕切り

仕事用に独立した個室を確保することが望ましいですが、実際には難しいのが現状です。個室を割り当てることができない場合でも、部屋の一角に一定のスペースを確保し、パーティションやカーテン等で仕切ることで、周囲と独立したオフィス空間を作ることの工夫も凝らすことも重要です。

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