テレワークによる生産性向上の事例

A建設サービス株式会社の事例

モバイルワーク在宅勤務
ポイント
  • ・情報の可視化とコミュニケーション(情報を即座に共有できる仕組みづくり)を実現
  • ・取引先等のとまどい感に対して、運用効果を示し、業務の評価に繋がることを実現

1.制度の導入時期、きっかけ

テレワークによる経営効率の向上及び改善を目的とし、「顧客と信頼関係構築につながるテレワークの徹底実践」を目指し、2001年1月に制度導入しています。

当該株式会社は、建設プロジェクトに必要な様々な支援業務を提供しており、特に顧客や関係者に信頼・評価されることが非常に重要です。そのため、建設プロジェクトのどのフェーズにおいても顧客にリアルタイムにプロセスと結果を明らかにできるように、顧客との信頼関係を構築できる情報共有環境をつくることを目指し、関連した情報の徹底したデジタル化に取り組んでいます。

またテレワークを徹底実践し、情報の可視化とコミュニケーション(情報を即座に共有できる仕組みづくり)を実現することで、プロジェクト関係者との信頼を確立すること、プロジェクトの運用や予実管理も含めた収益管理等が円滑になることで、経営効率をより一層向上することを目的としています。

2.制度の内容

モバイルワーク
対象部門全社
対象人数150人程度(契約社員も含む)
実践内容プロジェクトマネジメントにかかわる全ての業務をはじめ、スケジュール管理や経費処理等の一般業務、人事面では課題設定や教育評価、ナレッジマネジメントに至るまで、全てがシステム化されており、所定の個人認証を受けることで、本人が持つ権限の範囲ほぼ全部の作業がオフィスと同様にオフィス外でも行うことができます(但し、印刷やデータの書き出しなどの一部作業は除きます)。
承認基準特に承認は必要としていません。
在宅勤務
対象部門全社
対象人数15人程度
実践内容60歳定年後の再雇用、妊娠中の時差出勤、産前産後休暇や育児・介護中の勤務時間短縮等の制度があり、これらの制度と並行して、これまで培ったスキルを継続的に維持・発揮できるように、在宅での勤務を認めています。
承認基準原則、所属部門長が判断しますが、在宅勤務が長期間に及ぶ場合は、経営企画本部長が判断しています。

3.テレワーク実施環境

1)オフィス環境
  • ・フリーアドレス、ノートパソコン、内外線共通携帯電話
  • ・会議室には全てモニター配備、会議は全てペーパーレス
  • ・電話会議システムは3箇所、携帯電話サービスによる多人数会話も活用
2)情報インフラの整備
  • ・拠点間VPN接続
  • ・モバイル機器からのVPN接続
  • ・リモートアクセス用SSLーVPN
  • ・WEB会議システム
3)情報セキュリティ
  • ・ワンタイムパスワードを利用した二元認証
  • ・クライアント証明書による無線LANの保護
  • ・PCの操作ログ収集・違法行為の自動通知

4.制度導入に当たっての課題と解決策、導入のポイント

情報デジタル化の徹底

「情報のデジタル化」=「経営の見える化」の環境をつくる第1歩として、各社員の情報リテラシー確認と同時に、必要な情報を必要なタイミングで入力することの徹底に注力し、現在では、「それが当たり前」になるまでになりました。

納得性の高い評価

「情報のデジタル化」=「経営の見える化」の環境が構築され、社員側の「プロフェッショナルワークスタイル」の要望と合致した形でモバイルワークが定着してきたこともあり、オフィスにいる時間=勤務時間という意識が社員になく、在宅勤務に関してもモバイルワークの延長という風土ができています。しかしながら、働く場所の自由度が増すにつれ、人事評価を行う上司が業務プロセスを直接見たり触れたりする時間が減ることもあり、下の(1)(2)を実施することで、被評価者の納得性を高めています。

  • 1)アピール面談
    一次評価の前に、被評価者が自分の成果をアピールする「アピール面談」を行います。例えば提案書作成時間が3年前よりも格段に早くなったこと等、自己の活動の分析を行い」、成長をアピールすることも可能です。
  • 2)最終評価者会議
    経営層・部長による「最終評価会議」において、各部門で内定した二次評価の結果を評価者から部下一人ひとりについて、その評価の経緯を説明してもらい、それが適切であるかの判定を全社員について行います。
内部統制

安全衛生や各種の法令順守、そして顧客へ約束したプロのサービスを提供するための社内ルール遵守について、これらの重要性をトップ自らが継続して社内へ明確に伝えることで、意識付けを図っています。

5.テレワーク導入後のメリット

  • 1)経営の見える化
    経営層では、最新の経営状況やデータベース分析結果等を、自らタイムリーに抽出・把握することが可能となり、その結果管理会計の精度が向上し、即座に効果的な施策を実行することが可能です。
  • 2)優秀な人材の確保と流出防止
    ワークライフバランスの視点では、出産・育児等の事由により在宅勤務を利用した従業員に加え、女性従業員が結婚退職を選択することがなくなりました。
  • 3)顧客との信頼関係構築と生産性向上
    社内に限らず、お客様や施行会社等、プロジェクトに関わる社外との情報共有もセキュリティに十分に配慮しながら、デジタルデータ化やモバイルテレワークを活用し、オープンな情報共有することにより、顧客信頼関係を構築しています。
  • 4)ワークスタイルの変化とオフィスコストの削減
    モバイルテレワークの定着に伴い、一部フリーアドレスを導入し、分室オフィスを廃止しています。本社オフィスを増床することなく分室オフィス勤務者28名を統合しています。
  • 5)事業継続計画
    インフルエンザ流行への対策は、社員自信の感染よりも社員の家族の感染や取引企業が所在しているビル内での流行等、社員自信は働けるにも拘らず、接触をさけなければならないケースが予想以上に多く、職種ごとの在宅テレワークシフトが非常に有効に機能しています。
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